水曜日、日本円(JPY)は米ドル(USD)に対して強含みとなり、USD/JPYはわずかに下落し、147.00に接近、最終取引価格は約147.33となった。この動きは、ドルが今週の新安値に下落したことによるもので、市場ではFRBが9月に利下げを開始するとの期待が高まっている。市場は今年中に2回の利下げを予想している。米国の弱いマクロデータとFRB当局者の慎重な発言がハト派的な賭けを強め、ドルをさらに押し下げた。
6通貨バスケットに対するドルの価値を追跡するドル指数(DXY)は、非農業部門雇用者数(NFP)発表後のレンジ下限を下回り、98.40付近で推移しており、日中では約0.35%下落している。
ミネアポリス連邦準備銀行のニール・カシュカリ総裁は水曜日、CNBCで米経済が減速しており、労働市場に冷却の兆しが見られると述べた。彼は、今年中に2回の利下げが依然として適切に思われると再確認し、短期的に政策金利の調整を開始する時期かもしれないと付け加えた。カシュカリ氏はまた、新しい関税がインフレに与える影響には不確実性があることを認め、「これらの関税が価格圧力にどのように影響するかはまだ不明」と指摘した。彼のコメントは、FRBの最近のハト派的な発言をさらに強化し、9月の利下げ予想を後押しした。
CME FedWatchツールによると、9月の利下げ確率は90%以上に急上昇しており、市場では10月の利下げ確率が58%、12月の利下げ確率が約46%と予想されている。これは、労働市場の冷却や貿易関連の逆風が続く中で、FRBが今年中に政策緩和を開始するとの投資家の信頼が高まっていることを反映している。
一方、日本では、6月の賃金上昇率が予想を下回り、国内需要の回復期待を抑制した。労働者の現金給与は前年同月比で2.5%増加し、市場予想の3.2%を下回ったが、5月の1.0%からは上昇した。このデータは今年春の賃金交渉の結果を反映しているが、日本銀行(BoJ)が直ちに金融政策を引き締めるには勢いが不足している可能性があることを示唆している。
赤木隆雄氏によれば、BoJが市場で現在織り込まれている水準を超えて政策金利を引き上げる可能性は低く、これが円のさらなる上昇を制限する可能性がある。スワップ市場では、今年25ベーシスポイントの利上げ確率が65%、今後2年間で合計50ベーシスポイントの引き締めが予想されており、政策金利は1.00%に引き上げられる見込みである。